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最終戦開始28

「…今のはちょっとまずいんじゃないか?」


 ヒューゴが去った後に残された指揮官達の1人…ニコラという名の将軍が囁くように言った。


「総司令官たるヒューゴ陛下があのような態度を取られては、兵達の士気に関わるよ」


 ニコラはすでに30の半ばを超えているが、まだ20代にも見える若々しい人物だ。彼は目線だけで周囲を見回した。


 本営には、ヒューゴの脇を固める指揮官達の他に、護衛の兵士や伝令兵など数多くの兵がいる。加えて、ヒューゴが怒りを見せつつ自身の天幕に戻っていく姿は多くの者達が目撃した所だろう。


「こういう噂は、兵達の間に一瞬で広まるからなあ。喋るなと言っても、必ず誰かが話を広めてしまう」


「しかし、ヒューゴ陛下があのような態度を取るのは初めてみたな」


 禿頭(スキンヘッド)の人物、モットレイという名の将軍が言った。


「ひょっとして、わしらが奮起するようにわざとあんな態度を取ったのではないか?」


「それはないだろう、モットレイ将軍。あんな風に怒った所で逆効果だ」


「だが…ヒューゴ陛下らしくなかったではないか」


「ヒューゴ陛下は、今まで苦戦らしい苦戦をする事無く勝利を収めてきた。それが、予想外の大苦戦に焦ってるのかもしれない」


「むう…」


「もっとも、兵力は未だこちらが上だし…ミュルグレス大将軍フィシュタル・ジェネラルが聖王国残党軍を倒して戦線に加われば状況は一変するはずだ。最終的に勝つのは我が軍である事には変わりない…そう思うが」

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