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最終戦開始11
ミュルグレス率いるヒューゴ軍別働隊は、ヒューゴ軍本隊とエレオノール軍の決戦場から北東に数kmほどの地点を駆けていた。その数、約10万。速度を重視するために騎馬のみで構成された軍団だ。その構成員の中には聖騎士序列二位たるミュルグレスを長年支えてきた者も多く、兵の質は全体的に高い。
一方、ミュルグレス別働隊の前方で迎撃の構えを取る聖王国残党軍と言えば…、
「やはり…弱い」
と、戦いの前からミュルグレスが呟いてしまう程に乱れた陣形だった。数は約10万。ミュルグレス率いる別働隊とほぼ同数だ。しかし、その構成員はと言えば、実践経験の乏しい兵士に、家柄のみで指揮官の地位を得た地方貴族達。そして何よりその総司令官が、あのヨハンネス王太子と来ている。ミュルグレスとしては、負ける要素は皆無と言えた。
それ故に、ミュルグレスがこの戦いで気にかけるべきはただひとつ。いかに早く敵を叩き潰すか、それのみだ。
「第二部隊、第三部隊、第四部隊…突撃準備。この戦い、早々に終わらせましょう」




