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最終決戦6

 ヒューゴ軍、本営天幕。エレオノール軍と同様に、こちらでも最後の軍議が行われていた。皇帝にして総司令官、ヒューゴ・トラケウは天幕内に居並ぶ幹部達を見回して告げる。


「事前の通達通り、中央第一軍の指揮官は私が勤める。中央第二軍の軍団長はエルンスト・リヒトホーフェン」


「任された」


 無精ひげを生やした中年男、エルンストが頷いた。ヒューゴ軍にとって新参者の彼がこの重大な局面で一軍団の軍団長を任されるのは大抜擢と言って良いだろう。しかし、エルンストには特に気負った様子もない。


「左翼軍の軍団長は、フェルマー・シャルンホスト」


「これはこれは、ヒューゴ閣下。なかなか厳しい場所に(わたくし)を配置してくださいますねえ」


 シャルンホストが左翼軍の軍団長を務めるというのは今初めて伝えられた訳ではない。もっと以前からシャルンホストはそれを知っていた。にもかかわらず、彼はまるで今初めて知った、とばかりに大仰な仕草で応じる。


「敵右翼軍の軍団長は、おそらくエステル・ラグランジュです。いやあ、強敵ですね。ひょっとしたら(わたくし)も負けてしまうかもしれません」


「なるほど、確かにエステル・ラグランジュの戦術眼は私やあなたにも匹敵するでしょう」


 ミュルグレスが静かな口調で告げる。


「しかし、それでも勝つのはあなたです、シャルンホスト。あなたの方が…エステル・ラグランジュより性格が悪い。戦争では、性格が悪い人間の方が有利です」


「あははは、お褒めの言葉ありがとうございます、ミュルグレスさん」


 シャルンホストの口元にはにやにやとした笑みがへばりついている。負けるかもしれない――などとは、微塵も考えていない表情だった。

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