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第三勢力4

 ドゥナン街外れの広場には、10万近い聖王国残党軍が集結していた。


「えっと、俺達なんで急に集められたんだ?まさか、出陣するのか…?」


「ばっか、お前知らねえのか?」


「知らねえよ、ちゃんと聞かされてねえもん」


兵達がひそひそと囁き合う。彼らのうち何割かは、どうしてここに集められたのかもきちんと把握していなかった。寄せ集めである聖王国残党軍は組織としてまとまりを欠いており、情報の伝達すらきちんと行われていない。


「ヨハンネス王太子殿下が生きてたんだよ」


「へえ…王太子殿下ねえ…ふーん…よく分かんないけど、王族が生きてたのか…」


 王太子が生きていると聞かされた兵士の反応は鈍い。ここにいる者達は聖王国の中でも田舎出身で、王太子ヨハンネスという人物の事など全く知らない。それ故に別段敬意を抱いている訳ではなかった。もっとも、ヨハンネスの事をある程度知っていたら経緯ではなく嫌悪を抱いていたかもしれないが――。


「お前ら、静かにしろ」


 兵達の前に立つ軍曹(サージェント)が後ろを向いて囁いた。


「王太子殿下が姿を現したぞ」


 その言葉に顔を上げれば、確かに前方の壇上に豪奢な礼服を着た青年が立っていた。

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