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皇帝就任3

「盛大な儀式だったっすね、エレオノール隊長!いや、えっと、皇帝陛下!」


 皇帝就任の儀式が終わり控えの間に戻ったエレオノールにエマが駆け寄った。今のエレオノールは、金の刺繍が入った純白のドレスに床まで届こうかという赤いマント、頭には女性冠(ティアラ)風の王冠(クラウン)という格好である。これらは全て、元々は北統王家が所有していたものだ。


 ――エレオノールちゃんはこんなゴテゴテした衣装なんて嫌いかもしれないけど、なんてせっかくだから使わせてもらいましょう。


 とは、エステルの言葉だ。


「別に今までと同じ呼び方で構わないよ、エマ。その方が私も気が楽だ」


 そう言いながら、エマの頭を撫でるエレオノール。その手つきは、皇帝になる前と何ら変わりはなかった。その様子を少し離れた位置から見守っていたホフマンが突如、


「うっ…」


 と小さく声を上げて顔を伏せた。


「だ、大丈夫ですか!?」


 慌ててホフマンの体を支える椿。ひょっとして、何か体に異常でも起きたのだろうか…と、不安げな表情で老騎士の顔を見上げる。


「申し訳ございません、問題…ありません」


 ホフマンはすぐに姿勢を正し、小さく呟いた。


「ただ…わしが生きている間にこのような光景を目にする事が出来るとは…あまりに嬉しくて。つい。目頭が熱くなってしまいました」

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