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異世界転移5

 屋敷の使用人らしき人物が二人出てきて、俺と男にそれぞれ剣を握らせた。手渡されたために思わず受け取ったが、それは思っていたよりもずっしりと重かった。


 使用人が下がり、奴隷商人も俺達から距離を置いた。残されたのは…俺と男だけだ。


「さあ、どうした?さっさと殺し合え。生き残った方を奴隷として生き長らえさせてやろう」


 ヒンデミッド伯爵は言った。やはり、先ほどの言葉は俺の聞き間違いではなかったようだ。この人物は…俺達に殺し合いをさせようとしている。


「な、な、なんで…ですか…っ」


 俺はバルコニーの上を見上げて叫んだ。ヒンデミッド伯爵は俺と同じ年頃の男だ。その雰囲気は、どことなく中学時代に俺をいじめていた奴を思わせた。


「なんで、殺し合い…なんて…」


「何故だと?奴隷の分際で生意気な…」


 ヒンデミッド伯爵の声からは明らかな苛立ちが感じられた。人に殺し合いをさせようとしておいて、よくもそんな態度が取れるものだ。


「貴様らは剣闘士奴隷(グラディアートル)として奴隷商から購入した。つまり、我ら貴族のための見世物として戦うのが務め…。理解したなら、さっさと闘え」


 言っている事の意味は分かる。つまり、俺達は見世物として殺し合いをさせられるために買われたという訳だ。だが…理解したからと言って、従える訳じゃない。ゲームじゃあるまいし、命を賭けた殺し合いなんて…。


 俺が呆然としていると、俺と同じく剣を持たされた男が近付いてきた。俺から三歩ほど離れた距離で立ち止まり、ヒンデミッド伯爵には聞こえない程度の声で俺に囁いてくる。


「なあ…にいちゃん、こんな事やめねえか?俺はあんたと殺し合いなんてしたくねえよ」

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