出立3
「一緒に行くって…」
驚く椿に対し、ハティはこくんと頷く。
「だって、ボクの役目はツバキを守る事でしょ。ねえ、ボクが付いて行っちゃだめなの?」
合理的に考えるならば、ハティを同行させるというのは正しい選択と言える。その理由の第一にハティは北統王国出身であるため聖都に知り合いはほとんどおらず正体が見破られる危険性は低い。第二に、ハティも椿と同じく子供である。この点でも怪しまれ辛い。そして第三に、ハティの戦闘力があればもし椿が窮地に陥ったとしてもそこから脱する事が出来る可能性が高まる。
「危険だからボクを置いていく、とか言わないよね?」
ハティはずいっと顔を突き出して来る。
「ボクだって、ツバキのために…頑張りたいんだから。それに、ヴォロホラムと戦った事に比べれば、こんなの大したことじゃないし」
「ありがとう、ハティ」
ツバキはハティの手をぎゅっと握った。今回の潜入は今までの戦いとは性質の違う危険性を孕んでいる。だが、ハティがここまで覚悟を決めているというのであれば自分もそれを受け止めるべきだと考えた。
「ただ、これだけは約束して欲しい。どんな時でも、自分の身の安全を第一に考えるんだよ。ハティに何かあったら弟妹が悲しむんだからね」
「分かった。ボクは弟妹を悲しませるような事は、しない」
「それじゃあ…一緒に行こう、ハティ」
「うん…!」




