表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

834/1118

暗雲9

「果たして我々は、ヒューゴ・トラケウと戦うべきなのでしょうか。…少なくとも、私は本当に戦うべきなのか、迷っています」


 エレオノールの問いかけは、決して意外なものではなかった。一同の心の奥底にあった考えだ。しかし誰もそれを口に出来なかった。


「もしヒューゴ・トラケウが善政を行うのであれば…我々は、協力するべきだと考えます」


 ヒューゴは聖王国の王族を殺した。聖王国の国民であるこの場の面々からすれば、それは許すべきではないのだろう。それに何より、


(レイアさんも…殺されたかもしれないのに)


 椿は思う。肉親のいないエレオノールにとって、師匠(せんせい)と慕うレイアは家族のようなものだ。そのレイアがヒューゴ軍に殺された可能性が高い。感情的な面で言えば、許したくないと思うのが当然だろう。


(でも、エレナはそれを押し殺して…民衆の事を第一に考えて発言してるんだ)


 ヒューゴ軍と戦うとなれば、当然両軍に犠牲者が出る。だがヒューゴと手を結ぶ事が出来ればそれは回避される。エレオノールは、可能ならば後者の道を選びたいと宣言していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ