表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/1118

千人隊編成9

「なるほど、そういう事ですか」


 アンスバッハ邸、大広間。


 エレオノールは、ボゥホートおよびヌガザ城砦兵が千人隊への加入を望んでいる事を聞き、深く頷いた。顔を上げると、ボゥホートと女性、それぞれに視線を向ける。


「ボゥホート・ネヴィル殿と、それと…」


「すみません、申し遅れました。私の名は、カトリーヌ・ロランと申します」


 と、救護担当の女性は答えた。軍人、というよりは淑女といった表現の方が似合う柔らかな声だ。


「ありがとうございます――。ボゥホート・ネヴィルにカトリーヌ・ロラン殿。あなた方の申し出、有り難くお受けいたします」


 そう言って、エレオノースはボゥホートと向き合う。


「近衛に入られる前は、カイ・ネヴィル卿の部隊で活躍されていたと聞き及んでいます。あなたが味方に加わってくださるのであれば…この上なく心強い。私はまだまだ未熟な隊長ですが、どうか共に戦ってください」


「いえいえ、わたくしこそまだまだ未熟であります。むしろ、エレオノール殿の下で戦えるなど身に余る光栄!粉骨砕身、全霊で戦わせていただきます!あ、それと…わたくしの事はボゥとお呼びください」


「分かりました。それではよろしくお願いします、ボゥ殿」


「はっ!」


 エレオノールはボゥに笑顔を向けた後、ロランに視線を移す。


「ロラン殿の申し出もありがたくお受けさせていただきます。ただ…私が隊、北部要塞ノルディッシュ・フェストゥへの移動が決定しています。次に聖都に帰ってくるのはいつになるか分かりません。それに、私は軍の中での立場も決して良くはない。我が隊にいる事で昇任に響く事もあるでしょう。その事をよくお伝えして…その上で改めて私の隊に参加していただくか、否かを決めていただこうと思っています」


「はい。ですけど…エレオノール隊に志願した方々は、その事も納得済みだと思います。必ずしも楽な道ではないと分かっています。それでも…あなた方と共に戦いたいのです」


「ありがとうございます、ロラン殿」


 エレオノールはロランへも微笑みを向けた。


「ロランさん、よろしくっす!」


 エレオノールの横に控えていたエマが、ロランへと走り寄る。


「自分、城砦での戦いで怪我した時、ロランさんに手当てしてもらった事があるっすからねー。また一緒に戦えて嬉しいっす!」


「ふふふ、そうでしたね。またよろしくね、エマさん」


「はいっす!」


 エマとロランは手を握り合った。さらにエマはボゥへも顔を向けて、


「ボゥさんもよろしくお願いしまっす!」


 と元気に挨拶をした。


「はい、こちらこそ。――エマ殿の事はカイ義兄あにうえから聞き及んでいます。模擬戦闘トーナメントで一緒に戦われたのだとか。義兄あにうえもエマ殿の事は賞賛しておられました。義兄あにうえが他人を認めるのは珍しい事です。そんなエマ殿と共に戦えるとは、大変光栄であります」


「い、いやあ、自分なんてそんな偉いもんじゃないっすよ」


 照れ臭そうに頭をかくエマ。


「それよりも、こちらこそボゥさんやロランさんと一緒の隊で戦えて光栄っす。――頼りになれる人たちが増えて良かったっすね、隊長!」


 満面の笑みをエレオノールに向けた。しかし、エレオノールは苦笑を返す。


「ふふ、頼りになる方々である事は確かだが…君も頼られる存在にならないといけないよ。我が隊の副長は君だ。私が指揮を取れない状態の時は、君がボゥ殿やロラン殿を指揮しないといけないんだからね」


「えっ…!自分が副長を継続するんっすか?てっきり、ボゥさんが副長になるもんだと…」


「いや、隊長である私の意図を最もよく汲み取れるのは…リッツ副長、君だ。時に混乱し、連絡もままならなくなる戦場にあって、それはそれは大きな武器となる。我が隊の副長は君しかいないんだ」


「…わ、分かりましたっす。ボゥさん、ロランさん…その他の皆さんに認めて貰えるよう、千人隊の副長として今まで以上に頑張りまっす!」


 エマはぐっと両手の拳を握りしめた。


 一時は絶望的にも思われたエレオノール千人隊だが…その編成は整いつつあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ネームドキャラクター、ボゥとカトリーヌが仲間になった! [気になる点] …モブの仲間は現在どのぐらい?…あと何人必要ですかね?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ