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暗雲4

 椿は一瞬、エステルの言葉の意味が理解できなかった。いや…椿のみならず、この場にいたほぼ全員が理解できなかっただろう。


(聖都が陥落した…聖王国が滅んだ…?)


 心の中で繰り返してみても、その言葉をにわかに信じる事はできない。


「私の把握している限り、民間人に被害は出ていないわ。王族や門閥貴族はほぼ全滅だけれどね。それと…軍関係者の中にも犠牲者が出たのは間違いないでしょうね」


 エステルは表情を暗くする。


慈愛の聖騎士パラディン・オブ・チャーリィ…レイア・リヒテナウアー殿も戦死したという噂が流れているわ」


 その言葉を聞いた瞬間、エレオノールの肩が僅かに震える。と当時に、


「何故だ…!」


 カイが身を乗り出した。


「なぜ帝国軍が聖都に!?聖王国領と帝国領はティグラム山脈で隔たれている!その出口さえ塞げば奴らは進軍できないはずだ!」


 ティグラム山脈を越えるルートは限られている上に、大軍の通行には適さない。その狭い進軍ルートさえしっかりと守っていれば帝国は聖王国に乗り込んで来る事は不可能。それは今まで何度となく確かめられた事実だ。


「そう、出口さえ塞いでいればね」


「どういう事だ…?」


「ティグラム山脈越えルートの出口を警備していた叡智の聖騎士パラディン・オブ・プルードゥンス…ミュルグレス・レイが裏切ったのよ」

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