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エレオノールvsカイ17
(自分の好きなツバキを…他の人が好きでいてくれて、嬉しい…?)
カイは心の中でエレオノールの言葉を反復した。それは、今までカイが思ってもみなかった事だった。カイが呆然としているとエレオノールはさらに言葉を続ける。
「そして、私が何より嬉しいのは…ネヴィル卿のような方が、ツバキの事を好いていてくれるという事です」
「え…?」
「だって、ネヴィル卿のような素敵な方に好かれるというのは…ツバキにとって、きっと幸せな事ですから。私はそれが…本当に、嬉しい」
「うっ…」
自分の恋しい人物が他の人にも好かれている。それはつまり、ライバルが増えるだけではないか。そしてライバルが魅力的な女性であればある程、自分にとっては不都合だ。それがカイの考え方だ。しかしエレオノールは違った。
(アンスバッハ殿は…自分がツバキに愛される事よりも、ツバキの幸せを第一に考えているのか…)
カイはここに来てようやく、エレオノールの考えを理解した。
(これが…エレオノール・アンスバッハ…)
カイは感じていた。目の前にいる人物は、自分とは格が違う…と。




