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エレオノールvsカイ12

「ありがとう?…なぜ、礼を言う」


 述べられた感謝の言葉の意味が分からず、カイは問いかける。


「僕は…好き、とか一緒にいたいって気持ちが…まだ、きちんと分かりません」


 この世界に来て、今まで戦いの連続だった。椿にはそういった気持ちと向き合うだけの余裕がなかったと言える。


「それでも――カイさんが僕と向き合って気持ちを伝えてくれた事、それがとても勇気のいる事だって事は分かります。それは…本当に、嬉しいです」


「…そうか。お前に嬉しいと思ってもらえるのはオレとしても喜ばしい事だが…別に、オレは勇気なんて出してはいない。オレは、オレの思うままに…やりたいままにやりたい事をやったまでだ」


「それでも…嬉しかったです。絶対に、お返事はさせてもらいます」


 その言葉を聞き、カイの頬が緩んだ。それは彼女にしては珍しい穏やかな表情だった。


 湯煙の向こうに椿が消えていったのを見送り、カイは呟く。


「椿の返答がどういうものであれ…あいつに喜んで貰えたのなら、言った甲斐はあったかな…」


 天井を見上げ、体の力を抜くカイ。彼女の中で、今回椿を温泉に誘った目的はひとまず達成された。――だが、彼女は知らない。これから、彼女にとって最も強力な宿敵(ライバル)との大勝負が行われる事を。

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