エレオノールvsカイ
エッカルトを残し、馬車から降りるたのは椿、カイ、そして…、
「いい所だね」
そう微笑むエレオノール。
「うん。王都から近いし、景色もいいし…きちんと整備すれば、きっと人気が出ると思う」
そんな会話をする椿とエレオノールを見ながら、カイは内心で思っていた。
(…少し、計算外だったな)
カイの予定では、エレオノールはついて来ないはずだった。しかし、あの会議で誰からともなく「どうせならエレオノールも一緒に行けばいいのでは」という意見が出て、それに流される形で彼女もついて来る事になったのだった。それに加え、
「どうしたんっすか、カイさん」
「何か悩み事ですか?義兄上」
と声をかけてくる二人の女性。すなわち、エマとボゥだ。当初は椿と二人きりで温泉を…と考えていた温泉旅行は、結局椿、エレオノール、カイ、エマ、ボゥの5名が参加する事となった。
「いや、別に…何も問題はない」
カイは答える。その表情には一片の曇りもない。彼女の心にあるのは――漲る闘志だ。
(オレの陣営にはボゥ…アンスバッハ殿の陣営にはエマ・リッツ。数は2対2で互角。こうなったら直接対決と行こうじゃないか――エレオノール・フォン・アンスバッハ!)




