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北統王国・王宮11

「お前達は――…二つ、勘違いをしている」


 自身を取り囲む兵達に鋭い視線を向けつつカイは言った。


「まず一つはここでオレを殺したとしても意味がないという事。ここでオレを殺せば、北統国王は聖王国に敵対の意思ありとして処刑されるだろう。そしてもう一つ…」


 カイは己の剣の柄に手を添え、刃を抜いた。銀色に輝く刀身、その切先を近衛兵達に向けた。


「貴様ら程度が束になってかかって来た所で、オレを殺すなど不可能だという事だ。ツバキ・ニイミの(つるぎ)たるオレを止めたければ…せめて、もっとマシな兵を用意してこい!」


 カイの言葉には、死地を乗り越えてきた者のみが持つ威圧感があった。近衛兵たちは気圧され、思わず後ずさる。彼らは気付いてしまったのだ、カイ・ネヴィルと自らの間にある絶望的なまでの実力の差に。


 引き下がった近衛兵達の横を素通りし、カイは外へと通じる扉へと進む。


「お、おい、近衛兵!何をしている!そいつを止めろ、止めろ…!」


 トールヴァルドの声がむなしく響く。もしも彼が兵に慕われるような人物であれば、近衛兵は勝てぬと分かっていながらもカイに向かっていったかもしれない。だが、北統国王トールヴァルドはそうまでして忠誠を捧げるに値する存在ではなかった。

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