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決着20
その後、エレオノールを中心に捕虜の受け入れや怪我人の搬送などの戦後処理を行う内に日は暮れた。
「ツバキ…君は怪我をしているんだ。早く休んだ方がいい」
そんなエレオノールに対して、
「うん…ありがとう。でも、もう少し」
と応じ、椿は夜更けまで戦後処理に当たった。昼間の戦闘の疲れが体にどっと降りかかってくる。しかし、これで最後だと思えばこそ出来る限りの事をしたかった。そして明け方近くになった頃、その作業もようやくひと段落がついた。
「よし…ひとまず今出来る事はこれで終わりだ。先に休んでいる見張り要因と交代し、私達も休むとしよう。…結局最後まで付き合わせて悪かったね、ツバキ」
「ううん、休もうとしても…気持ちが昂って眠れなかったと思うから」
その言葉の通り、椿の体は疲れ切っていたが心はまだ落ち着かなかった。目を閉じればヴォルフラムと対峙した際の後継が脳裏に蘇る。だが、流石にそろそろ休まなければ明日以降に支障が出るだろう。この後、北統王都に到着して本当の意味でこの一連の戦いは終了となるのだから。




