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決着15

 椿は、フェリクスの視線をただ黙って正面から受け止める。自分がヴォルフラムを倒した…その責任から、逃げるつもりはなかった。しばし両者の視線が交錯した後、フェリクスはふぅ…と息を吐く。


「私は最年少でヴォルフラム閣下の大十字(グランクロワ)に加えられ、帝国内では早熟の天才と呼ばれてきた。だが、まさか君のような少年がいるとはな」


 フェリクスは未だ椿から視線を外さない。


「私はずっとヴォルフラム閣下の背中を追いかけてきた。君は――その背中を、私から奪った。もし出来得るならば…その責任を取って欲しい」


 一瞬、エレオノールが何かを言おうと口を開きかけた。椿にそんな重責を背負わせたくはなかったからだ。しかし、椿の答えの方が早かった。


「僕にどれだけの事が出来るのかは分かりません。でも、背負った命の分だけ…僕は、理想のために足掻きます」


「…君のような少年に負けて良かったよ。――いや」


 フェリクスは、天を仰いだ。


「本当は…勝ちたかったけどね」


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