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決着4
レイアが選択したのは、小手狙いだった。すなわち、武器を持つジークフラムの右手。片腕のジークフラムは右腕を負傷すればもう武器は握れない。
「ふっ…!」
と呼気を吐き、ジークフラムの右手にはめられた手甲の僅かな継ぎ目を目掛けて剣先を突き出す。もし外せば、ジークフラムの斧槍が自身の体を打ち砕くだろう。そんな重圧の中にありながら、レイアの剣にはいささかの乱れもなかった。
「がァ…ッ!」
ジークフラム口から苦悶の呻きが上がる。その右手は、レイアの剣によって貫かれ手に持つ斧槍も地に落ちる。
勝負あり――。レイアとジークフラムの戦いを見守る全員がそう判断した、その時。
「ぎは…ぎゃはははァ!」
ジークフラムは狂ったような笑い声を上げ、レイアに突進した。掌が剣に貫かれた状態での突撃。その無理な動きにより、ジークフラムの手は斬り裂かれる。だが、構いはしない。
「しィやァァ!」
ジークフラムはレイアに近付くと、その乱杭歯を光らせながら大口を開け――噛みついた。




