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終盤戦52

 椿がヴォルフラムと戦闘を繰り広げようかというちょうどその頃、エルヴィン・グリュックスはエレオノールの攻勢から逃げるべく騎馬を走らせていた。


(近接戦闘では、私はエレオノール・フォン・アンスバッハには及ばない…)


 エルヴィンは自らの能力を的確に把握している。それ故の逃走。そしてそれを恥だとは考えていない。彼が成すべきは、自軍に勝利をもたらす事。ただそれのみだ。


「敵騎馬隊は我々とは逆の方向に逃げたようですね」


 側近のひとりがエルヴィンに囁いた。事実、敵の騎馬隊は自身達とは真逆の方へと突き進んでいる。側近だけを連れて逃げたのが功を奏したようだ。そして、


(この窮地さえ脱すれば…我が軍の勝利は固い)


 エルヴィンは、両翼の司令官であるバウテンとシャルンホストを必ずしも信じてはいなかった。


 バウテンの性格に対しては好感を抱いていたが、相手はオスカー・グロスモント。必ず勝てるとは言い難い。


 シャルンホストについては、能力は高いが性格は最悪だ。いったいどうのような行動を取るか分かったものではない。


 故にエルヴィンが信じるのは――ヴォルフラム・フォン・クレヴィングただひとり。かの『世界最強』ならば、必ずやこの戦いを勝利に導いてくれると信じていた。


 だが、そんな彼の耳に急報が届く。


「少数の敵騎馬隊がこちらへ向けて凄まじい勢いで近付いてきています!」

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