表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

724/1118

終盤戦50

(状況は、まだ…決して有利じゃない)


 椿もまた、必ずしもこの戦いが終わってはいない事をその肌身で感じていた。


 ヴォルフラムが討たれたと耳にした当初、帝国兵の間には大きな動揺が走った。しかし、それがさらに広がるにつれてむしろその動揺は収まった。


(きっと、誰かが動揺を鎮めたんだ。おそらく…大十字(グランクロワ)の誰かが)


 その予想は的中していた。フェリクス総司令官代理として帝国兵をたくみに指揮。


 さらにエーミールはユーウェインと互角以上を戦いを演じている。本来ならばカムランの副長として指揮を代行するはずのユーウェインは、これで自らの戦いに専念せざるを得なくなってしまう。


 現状は、むしろ帝国軍有利と言って良い。だが…、


「皆さん、ここは凌いでください!」


 椿は聖王国兵の間を駆けまわり、兵隊を鼓舞した。そう、確かに現状は帝国軍有利――だが、それは今目の前の戦場に限った話だ。


(僕達はひとりで戦ってるんじゃない。ここをさえ凌げば――きっと、状況は好転する…いや)


 少年は脳裏に思い浮かべる。エマを、カイを、リヒターを、ホフマンを、オスカーを…エレオノールの姿を。


(ここを凌ぎ切れば…僕たちの勝ちだ…!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ