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終盤戦4
カムラン軍八万とヴォルフラム中央軍八万がついに激突すると思われた――その直前。
「ヴォルフラム右翼軍が突如速度を上げ我が軍に接近中!」
突如敵右翼軍が動きを変えた事をカムラン軍兵士が伝える。
「右翼軍で側面を叩くつもりか」
カムラン軍副長ユーウェインが呟く。そして彼の言葉に対してすぐに応じる者が現われた。
「ユーウェイン副長、俺に一万の兵をお預けください。それで敵を押し留めます」
そう告げた彼の名はマーハウス。カムラン軍の幹部で、カムラン、ユーウェインに次ぐ地位を持つ。年齢は彼らより少し上で、茶褐色の髪を持つ戦慣れした人物だ。
「そうだな、頼む。マーハウス」
ユーウェインはすぐさまマーハウスの提案を受け入れた。今この場はカムランに目の前の戦いに専念してもらうべきだろう。そしてマーハウスならば一万の敵で二万の敵も抑える事は十分に可能だと考えての事だった。




