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終盤戦2

 カムラン軍の兵力はサグラモール率いる重装歩兵部隊やレイア率いる剣士隊などが離脱したものの、ほぼ無傷の兵が約八万。


 対するヴォルフラム軍は援軍などに派遣した兵を引き現在十二万。こちらも無傷。


 兵数ではヴォルフラム軍が優勢だが、カムラン軍としても十分に戦える兵力差だ。


(いや…兵力差どうこうの戦いじゃない、か)


 カムランはこの戦いの本質はそこにはないという事を見抜いていた。すなわち、この戦いの勝敗を決するのは――、


(僕が勝つか、ヴォルフラムが勝つか…)


 大将同士のぶつかり合い、それで全てが決する事になるだろう。


 『帝国の双剣』『世界最強』と呼ばれ軍人の最高峰大将軍フィシュタル・ジェネラルの地位に就くヴォルフラム。聖騎士(パラディン)序列筆頭であり、間違いなく聖王国最強の人物であるカムラン。


 どちらかが倒れればその時点で均衡は崩れ、勝敗は決するだろう。


 もっとも、ヴォルフラムが決着を避け時間稼ぎをする…などという展開になれば話は別だが、そうはならないだろう。敵もまた大将同士の決着を望んでいる。カムランはそう睨んでいた。

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