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中盤戦34

 ズメイ率いる竜兵分隊とジークフラム率いる特務竜兵隊のぶつかり合いは熾烈を極めた。(ドラゴン)は耳をつんざくような咆哮を上げ、人間ならば一撃で絶命するであろう爪と牙による攻撃を互いに繰り出し合う。


 (ドラゴン)の数はジークフラム側が上。エルヴィン軍の兵の数も多い。しかし、エレオノール軍側も負けてはいない。ズメイの投槍(ジャベリン)、リヒターの的確な指揮で帝国軍の攻撃を押し留める。しかし、その上で状況は帝国軍有利に進もうとしていた。その決め手となっているのは――、


「おらァ!ザコ共がァ!死ねやあ!」


 (ドラゴン)の背で斧槍(ハルバード)を振り回す怪物、ジークフラム・ガイセ。彼の圧倒的な武力を完全に押さえられる者はこの戦場にはいなかった。唯一、ある程度牽制する事が出来るのはズメイの投槍(ジャベリン)のみだったが…。


「特務竜兵隊竜兵!敵竜兵の分隊長、ズメイ・バルトシークを囲んでください!」


 マルガレーテ・セファロニアの命令により、(ドラゴン)達がズメイを狙う。


「くっ…!」


 一対一ならともかく、複数の竜兵を相手にしてはズメイとしても分が悪い。目の前の(ドラゴン)を相手にするのが精一杯でジークフラムばかりを狙う訳にはいかなかった。


「さすがマルガレーテ嬢…いい指揮だ」


「あなたの厄介さは私も理解しているつもりです」


 ズメイとマルガレーテ、かつての仲間は短く言葉を交わす。だが無論、相手に手心を加えようなどという気持ちは両者ともに微塵も存在しない。

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