表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

661/1118

中盤戦31

 中央第二軍の戦闘は熾烈を極めていた。


「おぉおぉらぁ!」


「ちィ…!」


 (ドラゴン)に乗るズメイにより放たれる投槍(ジャベリン)。ジークフラムはそれを斧槍(ハルバード)で弾く。片腕、しかも先ほど腹部に投槍(ジャベリン)を受けたとは思えない身のこなしだ。ズメイの投槍(ジャベリン)は最初の一撃を除き、ジークフラムに対して全くダメージを与えられていない。しかし――、


「逃げんじゃねえ!ズメイ…!」


 ズメイは常にジークフラムから距離を取って戦い続ける。両者とも(ドラゴン)に乗っているため機動力は、ほぼ互角。この状況が続けばズメイはジークフラムを仕留める事はできないが、逆にジークフラムもまたズメイを倒す事はできない。


「悪ぃが、あんた相手じゃこうやって戦うしかないんだよ」


 ズメイは小さく呟いた。


 当初の想定では、最初の一投で勝負を決するつもりでいた。ジークフラムがリヒターに注意を向けている際の一撃――これで仕留める。それが出来れば理想的だった。しかし、相手は超人的な反射神経で投槍(ジャベリン)急所を躱し、あまつさえ化物の如き筋肉で致命傷を防いだ。


 ズメイ・バルトシークは自らの実力を弁えている。自分ではおそらくジークフラムに勝てない、と。ならば、


(俺の役目はジークフラム・ガイセを引き付ける事だ…)


 無論、自らの全力をぶつけジークフラムに挑みたいという気持ちはある。そのために聖王国軍に加わる事を決めたのだから。しかし、今はあくまで仲間たちのために戦う。それが彼の決意。


(俺がこいつを引き付けりゃあ…リヒターの大将がなんとかしてくれる)


 そう信じていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ