中盤戦17
(この気配…間違いない、竜…!)
騎馬や兵士の足音に交じり聞こえてくる重い足音、唸るような息遣い…これは間違いなく竜のものだった。しかし同時に、違和感も覚える。
(でも…ヌガザ城砦で聞いた音とは…違うものも混じっている…?)
竜の足音にしてはやや軽い音も混じっているように椿には思えた。しかし、馬や牛の足音とは明らかに違う。少年の胸がざわついた。
(領域解析…!)
おそらくここが勝負の分かれ目…そう判断するや否や、椿は迷いなく領域解析を実行。少年の目の前に、戦場の光景が映る。
自分を中心に、エレオノールやリヒター、ホフマン。やや離れた後方にはカイ。さらにこちらに迫って来ているのは…、
(竜…?にしては小さい…でも、数が…!)
約100頭の竜。それがこちらへと迫って来ていた。大きさは通常の竜よりも一回り小さい…が、それでも馬などよりははるかに大きい。そして、その中に混じる大型の竜が数頭。その一頭に乗るのは…天を突くような巨体。竜の骨で作られた甲冑を身に纏い、獰猛な笑みを浮かべる片腕の男。
因縁の相手…特務竜兵隊隊長、ジークフラム・ガイセがそこにいた。




