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開戦14

「中央第二軍、エレオノール・フォン・アンスバッハ、承知しました。――総司令官にそうお伝えを」


「はっ!」


 エレオノールはカムランからの伝令に返答を返し、続いて自身配下の重装歩兵部隊長に視線を向ける。


「ネヴィル卿、今聞かれた通りです」


「ああ。最初は歩兵部隊――オレの出番だな」


 エレオノールの傍らで共に伝令兵の言葉を聞いていたカイが頷く。


「はい。重装歩兵部隊が主戦力となり、それを弓兵隊が掩護します。軽装歩兵部隊は後方に待機させつつ、状況次第で戦線に投入します」


「了解した。――エマ・リッツ。援護を頼りにしているぞ」


「はいっす!」


 弓兵部隊長であるエマが元気よく応じる。やや緊張している様子だが、その表情からは怯えは感じられない。適度な緊張感といった所だ。


「…ツバキ」


 と、カイは続けて椿の方へ視線を向けた。


「しばらく別行動となるな」


「はい」


 椿は第二軍の軍団長であるエレオノールの近くで行動を共にする。しばらくの間は重装歩兵部隊長であるカイとは離れる形となる。戦況次第ではすぐに合流するという事もあり得るが、場合によっては戦いが終わるまで再会できないという可能性もあり得た。


「カイさん…ご武運を」


「ああ。お前の方もな。――なあ、ツバキ」


 カイは椿の馬に自身の馬を寄せる。そして、幾分恥ずかしそうにしながら…小声で告げた。


「もし、オレがこの戦いで生き残る事が出来たら…その…ま、また、撫でてくれ…!いや、抱きしめてくれてもいいぞ…!」


「えっ…」


 驚く椿を尻目に、カイは騎馬を離れさせると重装歩兵部隊の方へと駆けていった。

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