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聖騎士筆頭5

「おっと…もうこんなに空が明るくなってる。そろそろ戻らないと」


 そう言って、カムランは空を見上げた。


「出発の段になって、総司令官が不在とというんじゃ閉まらないからね。…ツバキ君、有意義な時間を過ごさせてくれてありがとう」


「いえ、こちらの方こそありがとうございました。カムランさんと話ができて…自分が戦う意味を見つめ直す事ができたような気がします」


「それなら良かった。ただ、僕としてはもう少し君と落ち着いて話をしたい気持ちもあるけどね。いや、実は僕は一人っ子なんだけど君みたいな素直な弟がいたらいいな…なんてよく思っていたんだ」


「本当ですか?僕も一人っ子で…頼りになるお兄さんがいたら、って思った事があります」


 この世界に来てからはエレオノールが家族同然の存在だったため、兄が欲しいと思った事はない椿だったが…ずっと昔、幼い頃にそんな風に思っていた事を思い出した。


「そうか、それは良かった。なら戦いが終わったら一度うちの屋敷に――と、まずい。また話し込んでしまいそうだ。戻らないと」


 カムランはおもむろに口元に指を当てると、「ピュウッ」と指笛を鳴らした。すると、今までどこに隠れていたのか一頭の白馬が姿を現しカムランに駆け寄る。


「よっと…」


 馬を止める事なく、カムランはそのまま鐙に足をかけその背に跨った。鮮やかな動きだ。


「それじゃあ、また!ツバキ君!行軍中はゆっくり話す機会はないと思うけど…相談があったらなんでも言ってくれ」


「はい、ありがとうございます。――カムランさん…絶対、勝ちましょうね!」


「――ああ!」


 そう答えると、カムランは愛馬の背に乗り疾風のように駆け去っていった。

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