敵戦力3
作戦確認が行われた後、指揮官達は解散した。だがそんな中で部屋に残った人物が四人。
大将軍ヴォルフラム。副司令官エルヴィン。顎髭の将軍エーミール。青年将軍フェリクス。
「しかし、なかなかいい部屋じゃのう…」
そう呟きつつ、ヴォルフラムが部屋の中を見回す。
「あ、大将軍閣下もそう思いますか。実は俺もなかなかいい部屋だと思ってたんですよ」
エーミールが軽い口ぶりで同調した。
「のう、エルヴィン。我の部屋と交換する気はないか?」
「御冗談を。私如きがあのような豪華な屋敷に住むなど不相応です」
エルヴィンが答えた。
現在、ヴォルフラムは北統王宮の敷地内にある屋敷を与えられそこで生活している。屋敷と一言に言うが、ちょっとした城程度はある豪華絢爛な建築物である。
「しかしな、こういった場所の方が我は落ち着くわ」
ヴォルフラム・フォン・クレヴィングの人生は常に戦いと共にあった。彼は高貴なる血筋に生まれたにもかかわらず、屋敷にいる時間よりも戦場で過ごした時間の方が遥かに長いという人物である。
「大将軍だのなんだの言われておるが、結局のところ我などただの戦狂いよ。強敵を屠り、無辜なる民を蹂躙する事に喜びを感じるただのイカれた老人じゃ」
「でも俺達はそんな大将だからついて行ってるんですけどね」
エーミールが顎髭を撫でながら言った。
「そうじゃな。貴様らもイカれたジジイに付き従う狂人共よ。せいぜい次の大戦では敵を蹂躙してやろうではないか」
そう言って、ヴォルフラムが愉快そうに笑ったその時、
「大将軍閣下、よろしいでしょうか」
扉の外からそう声がかけられた。部屋の外で待機していた帝国兵のものだ。
「おう、どうした?」
「はい、北統王国の指揮官が閣下と面会したいという事でいらっしゃっています。名はバウテン上将軍。イルメラ将軍。この両名です」




