536/1118
聖騎士集結19
「おっ…こりゃあ…」
牢の外に現れた人物…椿とズメイの姿に、ロルフは顔を上げる。
「戦場で戦ったガキじゃねえか」
「はい。…お久しぶりです」
「なんだぁ?俺を笑いに来たのか?…お前がいなけりゃ、俺もこんな所に入れられるハメにならなかったかも知れねえんだがな」
ロルフはエレオノールへの投槍、ボゥとの戦いにおいて椿の存在により活躍を阻止されている。もしそれが無ければ、戦いの趨勢自体が大きく変わっていた可能性もある。
「今日は、あなたにお願いがあって来ました。…申し遅れましたけど、僕はエレオノール隊軍師のツバキ・ニイミと言います。それと…」
「エレオノール隊、リヒター歩兵部隊所属…竜兵分隊長、ズメイ・バルトシークだ」
椿の横に立つズメイが前へ進み出た。ロルフは眉を寄せる。
「竜兵…?ああ、竜を率いてた分隊長か。帝国に竜兵部隊があるのは知ってたが聖王国にもあるとはな」
「俺は元帝国兵なんでな」
「あ…?」
「あんたが言った竜兵部隊に俺もいたのさ。『狂獣』ジークフラム・ガイゼ率いる部隊にな」




