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聖騎士集結18

 スルズ市の外れにその建物はあった。四方を兵で囲まれた石造りの重厚な建築物。しかし、装飾は一切ない。なぜならそこは牢獄だからだ。その中でも最も厳重な警備の敷かれているに地下牢。そこに二人の元槍騎士長が収監されていた。ロルフ・リューガーとユルゲン・バイルシュミットである。彼らは敵軍の中でも最重要人物という事で、巨大要塞(フルングニル)へ送られる事は無くミュルグレスが直属の兵を派遣し監視させている。


 他に捕らわれている槍騎士長二人…レオ・ゲルラッハは負傷が激しいため療養中、クリスタ・ファーナは女性専用の牢舎に収監されている。結果、今ここにいるのは彼ら二人だけだ。いや…正確に言えば、彼らの入っている鉄格子のすぐ外では24時間休むことなく複数の兵が見張りを行っているのだが。


「くそ…暇だな。なあ、ユルゲン…」


「…」


「まあ、殺されずに生きてるだけで儲けもんか。信仰の聖騎士パラディン・オブ・フェイスに叩き込めされたせいで体中痛てえけどよぉ」


「…」


「しっかし、俺ら出れんのかな…まあ、俺もお前も男爵だ。帝国から人質交換の話を持ちかけてくれてるはずだがよ」


「…」


「なあ、ユルゲン」


「…」


「なあって、答えろよ」


「…うるさい」


 ユルゲンは不機嫌そうに言った。


「俺達は監視されている。べらべらと話をすれば聖王国に情報を与える事になる…黙って色」


「いやいや、こんな世間話くらいどうって事ねえって」


叡智の聖騎士パラディン・オブ・プルードゥンスを甘く見るな。俺達の何気ない会話からどんな情報を掴むか分からない」


「へいへい…」


 二人がそんな会話をしていると、僅かながら光が差し込んできた。地下牢へ続く扉が開かれたのだ。そしてそこから現れたのは…いかにも軍人、といった風貌の男とあどけなさの残る少年だった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 底辺とユルい野郎か…ユルい野郎が貴族主義的な特質持ちで無かったら、ユルい野郎がマシに見えたのですがね…所詮、二人とも思い上がった貴族ってーことか…王国のゴミ貴族と対して変わらんわ…
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