聖騎士集結14
「分かりました。共に戦いましょう、ネヴィル卿」
エレオノールはカイに歩み寄り、その手を握りしめた。そこに偶然、
「あれ…?エレオノール隊長とネヴィル卿、どうしたんっすか?」
とエマが通りかかった。
「エマ・リッツか。考えてみればお前とも縁があるな」
「どういう事っすか?」
カイの言葉に首を傾げるエマ。
「今回、オレはボゥの代わりとしてエレオノール隊の重装歩兵部隊長を務める事になった」
「ほ、本当っすか?それじゃあ、馬上槍試合の時みたいに一緒に戦えるんっすね!」
「ああ。もっとも、あの時と立場は逆だがな。お前はエレオノール隊副長、オレはただの部隊長。お前の方が隊での序列は上となる。お手柔らかに頼む、エマ副長」
「や…やめてくださいっすよ!カイさんが自分より序列が下だなんて…っ。あ、そうだ!カイさんは重装歩兵部隊長兼副長って事にしたらどうっすか?」
「ん…オレが副長か…しかし、オレはエレオノール隊の事情については詳しくないからな…」
「じゃあじゃあ、自分とカイさんのふたりとも副長って事にしましょうっ。エレオノール隊の事情は自分の方が詳しいっすけど、指揮官としての経験はカイさんの方がずーっと上すから…それぞれの長所を活かして支え合う感じで…。ね、エレオノール隊長、いい案じゃないっすか?」
エマの言葉にエレオノールは頷く。
「うん…そうだね、ネヴィル卿がいいと言ってくれるならお願いしたい所だけれど…」
「そういう事であれば、副長業務をお受けしよう」
「やったぁ!」




