表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

516/1118

今後26

 商業都市スルズ南東に広がる丘陵地帯を進む部隊があった。白銀の甲冑に白の騎士服(サーコート)。聖王国軍の一団だ。この一団の中心となる人物は2名。聖騎士七騎(セプト・パラディン)筆頭、正義の聖騎士パラディン・オブ・ジャスティス。そして聖騎士七騎(セプト・パラディン)序列第七位、慈愛の聖騎士パラディン・オブ・チャーリィ


「さあて…あの子に会うのも久しぶりだねえ」


 亜麻色の髪を持つ妙齢の女性、慈愛の聖騎士パラディン・オブ・チャーリィが呟くように言った。それに対し、隣に並ぶ正義の聖騎士パラディン・オブ・ジャスティスが声をかける。


「あの子、とはエレオノール・フォン・アンスバッハ殿の事かな」


「その通り。私のかわいい妹弟子さね。あんたも気になるだろう?」


「そうだね。前々からその存在は気になっていたよ。貴女あなたから話は聞いたし…ここ最近の活躍も目覚ましい。でも、僕はもっと気になる人がいるんだ」


「へえ?あのアンスバッハ家の末裔にして、私のお墨付きの妹弟子…さらには最近じゃあ戦乙女(ワルキューレ)なんて呼ばれ始めてるあの子より、気になる存在がいるって?」


「ああ。アンスバッハ殿の軍師…ツバキ・ニイミさ」


「ツバキ…?ああ、確かにそんな名前の少年軍師がエレオノール隊で活躍してるって噂は聞いた事があるけど…」


 慈愛の聖騎士パラディン・オブ・チャーリィは怪訝な表情を浮かべる。


「でも、アンスバッハ公爵(ヘルツォーク)以上に気にかかる存在なのかい?」


「僕は前々からアンスバッハ殿の存在は気にかけていたんだ。もし聖騎士(パラディン)に8人目が加わるとしたら彼女かウィル・ユンカースだと思っていたからね。けれど、アンスバッハ殿はその出自もあり長らく百騎隊隊長に留まっていた。それが――ツバキ・ニイミが軍師となってから彼女は一気に頭角を現した。一年足らずで万単位の兵を率いる立場になったんだからね」


「ヌガザ城砦の防衛や巨大要塞(フルングニル)の攻略を成功させたのもツバキ少年の力だって事かい?」


「もちろん、アンスバッハ殿が元々備えていた実力も大きいよ。でも…それだけじゃない。きっと、ツバキ少年はアンスバッハ殿にはない…いや、僕は貴女だって持っていない『何か』を持っている」


「…なんなのさ、その『何か』ってのは」


「分からないよ。分からないから――会いたいんだ、彼に」


 そう言ったその時、隊は丘陵地帯を登り切った。そして、彼らはその視界の先に捉えた。商業都市スルズを。そして、エレオノールやツバキのいるグロスモント軍野営地を。





 第四章 聖騎士VS帝国の剣1 終了

 第五章 聖騎士VS帝国の剣2へ続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 正義と慈愛のやり取りよ! エレナと慈愛の絡みに期待大! そして!パラディンのトップ!正義とツバキの絡みにも期待大大! 合わせて大大大期待!!! 死して尚!ユンカースさんの素晴らしさ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ