表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

507/1118

今後17

「マルガ…準備はどうだ?」


「…ようやく温まってきたようです。何しろ、ここは気温が低いですから」


 副長、マルガレーテ・セファロニアは淡々とした口調で答える。もう今さらジークフラムを制止しても遅い。ならば副長としての務めを果たす他はない。


「そうかぁ…」


 隊長、ジークフラムは鮫の如き乱杭歯を見せ獰猛な笑みを浮かべた。


「んじゃァ、行くか…竜兵隊だってのに、竜無しで戦うってのも味気ねえもんなァ…!」


 ジークフラムは後ろを振り向いた。


「よーし、連れて来い!」


 ジークフラム本隊の後方、200m程離れて付いてきていた集団が前方に進み出る。その人員、約100名。これでジークフラム隊は総勢300名。とはいえ、重要なのは人員が増えた事ではない。彼ら100名と共に進み出た生物だ。


 その生物…大きなものは、体長5m。その数が十体。小さなものは体長3m程。こちらの数は数十体。


「こいつらの実戦投入は初めてだなァ…」


 ヌガザ城砦での敗戦はジークフラムからさまざまな物を奪った。ズメイを始めとする優秀な下士官、己の左腕、多数の竜。


 だが、ジークフラム・ガイセはそれらを失ったとして弱気になるような人間ではなかった。むしろ彼の闘志は熱く燃え滾る。ツバキ・ニイミ。エレオノール・フォン・アンスバッハ。この両名に奪った物の代償を支払わせるために。


 そして、自らの傷も癒えぬうちにたった一人で帝国の火山地帯へと足を運んだ。


 そこは竜の住処。常人なら生きて帰る事すらままならぬ場所で三ヵ月程の歳月を過ごし…帰ってきた彼は、数多の竜を引き連れていた。


 大型竜十体。小型竜九十体。これが新生独立竜兵隊の全竜兵力である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ