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「いやいや、ちょっと待ってくださいよ」


 シャルンホストは困ったように眉尻を下げる。しかし、そんな中でも口元にはうっすらと笑みが浮かぶ。


「アイヒホルン閣下を殺したのが帝国軍だというのは、帝国軍内の仲間割れを狙おうと聖王国軍が流したデマかもしれません。(わたくし)が王宮から姿を消していたのだって、北統貴族の方々と狩りに出かけていたからですよ。なんなら、一緒に狩りに行った方に聞いてもらっても…」


「分かっているさ。貴殿の事だからアリバイ工作は行っているだろう。しかし、私の感が告げている。貴殿がアイヒホルン閣下を殺したのだと」


 ディルクの瞳から殺気が放たれる。槍騎士長の地位を失ったとはいえ、かつては死神の鎌(デスサイズ)と呼ばれた男。その殺気は刃の如く鋭い。


「感、ですか。そのようなもので疑われたのではたまりませんね」


「正直に答えろ、シャルンホスト上将軍(ハイ・ジェネラル)


「はい。(わたくし)が殺しました」


「なんだと…!?」


 シャルンホストは、意外なほどあっさりと自らの犯行を供述した。むしろディルクの方が狼狽を見せてしまった程だ。


「しかし、それはさして重要な事柄ではないでしょう」


「何を言っている…。味方を手にかけるなど軍人としてあるまじき…」


「でも、あなたの上官も味方を殺しましたよね?」


 シャルンホストは身を乗り出す。ニヤニヤと笑みを浮かべながら。


投石器カタパルトによる敵味方諸共の攻撃。あれは良くて(わたくし)のした事は駄目なんですか?」


「…あれはあくまで勝つための戦略だ。状況が違う」


「そうですか。じゃあ、どうします?」


「無論、上層部に報告する。貴殿は然るべき処罰を受けるべきだ」


「しかし、(わたくし)のアリバイ工作は崩せませんよ?根拠があなたの感ではね」


「ならば、私自身の手で捌きを下すまで」


 ディルクは腰の剣を素早く抜き放ち、その切先をシャルンホストの喉元にあてる。得物のギュサームは手元にないが、シャルンホストに引導を渡すにはこの剣で十分だ。


「――分かりませんね」


 ため息を吐くシャルンホスト。


「なぜアイヒホルン殿にそこまで忠節を尽くすのですか?だってあの方は――貴方を裏切ったんですよ?」

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