今後7
「ここにこうして集まっていたという事は…作戦会議の最中ですか?」
「その通り」
ミュルグレスの問いにオスカーは頷く。
「ふむ…進軍か、それとも待機かを話し合っていたという所でしょうか。進軍案の問題としては、時間が限られている事、さらにこちらの戦力不足。待機する場合の問題は、聖王国軍上層部への懸念と二人の大将軍を相手にする可能性が高いという事…」
「お前、外でオレ達の話を聞いていたのか?」
カイが驚いたように言った。
「いえ、私はたったいま到着したばかりですよ。ですが現状を考えれば、どういった事が議題に上っていたかの見当はつきます」
「それならばちょうど良かった。貴公の考えを聞かせて欲しい」
「進軍です」
オスカーの問いに対しミュルグレスは迷いなく答える。
「慎重な貴公が進軍案を選ぶという事は…何か状況を覆すような策が?」
「策、という程のものはありません。ただ、少し前私の元に情報が入ってきただけです」
「情報?」
「はい。慈愛の聖騎士からの伝令です。現在、こちらへ向かっているとの事です」
「ほう…!」
とカイ。それとほぼ同時に、
「師匠が…」
エレオノールが小さく呟いた。
「つまり、慈愛の聖騎士が合流してくれるという事か」
オスカーの顔に喜色が浮かぶ。だが、ミュルグレスは首を振った。
「いいえ。慈愛の聖騎士だけではありません。全ての聖騎士がこの地に集結します」




