表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

483/1118

栄章3

「ツバキ君を?ああ、そうか。貴公は馬上槍試合(トーナメント)でツバキ君と肩を並べて戦ったのだったな」


「そうだ」


「貴公に聞いた通り、頼もしい少年だ。俺の方こそツバキ君には随分と助けられている」


 オスカーとカイのそんな会話を聞きながら、椿は少しばかり照れくさい気持ちになる。彼としては、「僕は少しでもみんなの役に立てるよう頑張って…たまたまそれが上手くいっただけです」とでも言いたい気持ちだっただろう。


「…ツバキも、お前の事は信頼していると言っていた」


 カイは椿の方をチラリと横目で見つつそう発言する。


「俺とツバキ君は裸の付き合いをした仲だからな。信頼関係は出来ているさ」


 オスカーが何気なく言ったそんな言葉に、カイの表情が険しくなる。


「な、何!?き、貴様!どういう意味だ!?」


「どういうもこういうも、男同士体と体で語り合っただけだが――」


 オスカーとしては、一緒にレスリングをした事を言ったつもりだったのだろう。しかし、カイは違う意味で受け取ったようだ。


「は、裸で…か、カラダとカラダでだと…!き、き、貴様!そういう趣味があったとは…!よ、よくもオレのツバキを!――おい、誰かオレの剣を持って来い!決闘だ!オスカー・グロスモント!」


「ちょ、ちょっと、ネヴィル卿!?いきなりどうされたんですか!?とにかく落ち着いてください…!」」


 慌ててオスカーとカイの間にガレスが割って入る。


「これが落ち着いていられるかっ!」


 凄まじい剣幕のカイを前にして、オスカーは「ふむ…」と頷く。


「いいだろう。理由は分からないが、決闘を申し込まれては受けるのが騎士の慣い。それに貴公とはいずれ剣を交えてみたかった」


「グ、グロスモント卿も火に油を注ぐような事を言わないでくださいよ!」


 二人の間で必死に争いを収めようとするガレス。それを見て、リヒターが小さく呟いた。


「いやあ、苦労人だねえ…ガレス殿も」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] …裸の付き合い…ねぇ…仮に風呂に入ったとしても、男同士なら可笑しくないのに…あれ!?そういえば、ツバキはエレナとエマと三人で…黙っとこーっと!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ