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海賊と聖騎士5

「戦いは終わり、だぁ?」


 剣を突きつけられた頭領は、冷や汗を浮かべながらもニヤリと笑ってみせる。


「まだ終わりじゃねえよ。――おい、野郎ども!」


 頭領は叫ぶ。


「例え俺が死のうとも戦いをやめるんじゃあねえぞ!数はこっちが上だ!」


 それだけ言うと、頭領は正義の聖騎士パラディン・オブ・ジャスティスへと視線を戻した。


「さあ…殺せ」


「いや、殺さないよ」


 正義の聖騎士パラディン・オブ・ジャスティスは静かに微笑む。


「僕は君と話をしに来たんだ」


「話だと…?」


「そう。だって、僕たちが戦う理由なんてないんだから」


「…どういう意味だ?」


「君たちが北統王国から受けた依頼は、『聖王国軍に海峡を渡らせない事』。違うかい?」


「いや…違わねえよ」


「うん、それならやはり僕たちは敵対する必要はない。なぜなら、僕らはこの海峡を渡る気はないからね」


「何だと!?」


「さあ、これで僕らが戦う理由はなくなっただろう?」


 そう言って、正義の聖騎士パラディン・オブ・ジャスティスは剣を降ろした。


「…」


 海賊は訝しげな視線で正義の聖騎士パラディン・オブ・ジャスティスを睨みつける。相手の思惑を測りかねているのだ。だが、分かっている事がいくつかある。このまま戦いを続けた場合、例え海賊側が勝ったとしても大きな犠牲を支払うのは確実だという事。


「…おい、副長」


「へ、へい…」


 頭領の呼びかけに、少し離れた位置にいた海賊が答える。


「今現在、こちら側の死者は何名だ?」


「そ、それが…あっしの把握している限りでは、ゼロです。海に落とされた者、殴られて気を失ってる者は多いですが…見た所、死んでる奴はいやしません」


「…そうか」


 つまり、聖王国側はわざと海賊を殺めないよう戦っていたのだろう。頭領は目の前の聖騎士に視線を戻す。


「分かった…お前さんの提案を飲もう、聖騎士パラディン

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― 新着の感想 ―
[良い点] パラディンの二人がメインとなり!海賊を不殺で降伏!…うむ!見事! 海賊の頭領さんも負けたが、引き際をわきまえて見事でした!…それに!北の国に対して、義理堅い!ようですし!…義理堅い人は結…
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