表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

441/1118

決戦79

「エレオノール隊長、大丈夫ですか!?」


 馬上のエマがエレオノールに声をかける。その手には弓が握られていた。役に立つ機会があるかもしれないと持ってきていたものだ。


「エマ…!」


「す、すみませんっす!なんか相手が怪しい動きをしているのが見えたんで、つい…」


「いや――ありがとう」


 エレオノールはユルゲンの方へ視線を向ける。武器を落とし、手を矢で貫かれ…そして戦意も喪失している。今この相手は脅威ではない。


「敵指揮官を拘束!」


 部下に素早く命じ、自身は北統、帝国連合軍に対して声を張り上げる。


投石器カタパルト守備部隊指揮官、ユルゲン・バイルシュミットは我が軍が拘束。この場の趨勢はこれで決した!今すぐ投石器カタパルトの発射を停止し我が軍に降伏せよ!」


 その言葉に敵軍は明らかな動揺を見せた。すぐさま全員が降伏するという事はないだろうが、これで敵の士気は大きく低下しそう遠くないうちにこの場での戦闘は終了となるだろう。


(…エマが敵の自害を止めてくれて助かった)


 ここで敵指揮官が自害してしまえば、その心意気に打たれ逆に敵軍の士気が燃え上がってしまう可能性があった。


「エマ…本当にありがとう」


 そう呟きながら、エレオノールは自らの姓の…アンスバッハという名の重みを改めて思い知らされていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ