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決戦74
エレオノールの剣とユルゲンの馬上槍が音を立ててぶつかる。両手に武器を持っているだけあってユルゲンの攻撃は回転が速い。しかしエレオノールの繰り出す剣の速度も負けてはいない。互いに譲らぬの攻防が続く。
「エレオノール隊長…!」
「エマ、私は大丈夫だ。隊の指揮を!」
「は、はい!」
ユルゲンの実力はエレオノールとほぼ互角。もしくは、エレオノールがやや優勢か。すぐには倒せないと見て取ったユルゲンは一度攻撃の手を止め、僅かに後ろに下がる。
「エレオノール、というのがお前の名か。その響きから言って…貴族か?」
「…いかにも」
エレオノールは相手の言葉に答えるかどうか僅かに迷った後、ユルゲンの言葉に頷いた。一刻を争う状況。問答をしている暇はない――が、こういった会話から相手の呼吸を測り隙を見つけ出す糸口になる事もある。
「そうか、やはり貴族か。ならば…我が国に来い」
「なに…?」
「アイヒホルン閣下は高貴なる血統と優秀なる能力を併せ持つ者を欲しておられる。戦乙女と呼ばれ兵達に畏怖されるそのカリスマと血統。お前ならば歓迎される事だろう」




