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決戦68

 オスカーとレオの戦いは、オスカーがやや優勢。しかしレオは常に距離を取り逃げるように戦っているためにオスカーも敵に決定打を与える事ができない。


「尋常に勝負――と言っていなかったか」


「はっはっはぁ!これが俺の戦い方さあ!」


 オスカーの言葉に、レオは悪びれる様子もない。自分の有利な距離で戦う。確かに、もっとも基本的かつ効率的な戦法だ。


(このままでは…不味いな)


 オスカーはそう判断する。兵の数自体は敵の方が多い。さらに、投石器カタパルトによる攻撃は今も続いている。戦いが長引いて不利になるのはグロスモント騎馬隊の方だ。


(少し無理をしてでも…距離を詰めるか)


 レオの槍がオスカーの体を狙って突き出される。オスカーはそれを大剣で捌く…が、これでは距離を詰める事ができない。そんな攻防を二、三度繰り返した後…またもやレオの槍がオスカーの体目掛け突き出された。


 オスカーは、その攻撃を捌かなかった。


「おっ…!」


 敵の意外な動きにレオは目を見開いた。反応が間に合わなかったのか――そう思い、槍に渾身の力を込めた。彼の繰り出す全力の一撃は鎧を貫く勢いがある。だが、それこそがオスカーの狙いだった。


 槍が鎧を貫くと同時に、体を横に捻る。レオの槍はオスカーの鍛えられた腹筋を僅かに掠めるも横に逸れた。


「な、なんと…!」


 慌てて槍を引こうとするレオだったが、全力の突きを放ってしまったために体が前に傾いている。


「ま、間に合わん…!」


 レオの瞳に、大剣を振りかぶり迫ってくるオスカーの姿が映った。

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