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決戦62

 オスカー、エレオノール程の実力があれば騎兵突撃で敵陣に穴を穿つのはそう難しい事ではない。しかし、それは通常であれば――だ。現在は、その『通常』から逸脱している状況だ。


 まず、地面がぬかるみ騎兵突撃にいつも程の威力がないという事。次に、敵はあくまで『足止め』だけに集中していれば良いという事。例えオスカーやエレオノールが突撃で隊列を蹴散らそうとも、敵は騎馬にしがみついてでもグロスモント騎馬隊の進撃を阻もうとするだろう。それでグロスモント騎馬隊を倒せずとも良い。時間さえ稼げれば投石器カタパルトが騎馬隊を攻撃してくれるのだから。


 それ故に、この戦場では敵陣に穴を穿つだけでは不十分だ。穴を穿ち、そしてその穴を塞ごうとする敵を押し留める役が必要なのだ。その役を担うのが、ホフマンだった。


 まず、ホフマン率いる騎兵部隊が敵陣に突撃を敢行する。そこで出来た穴にオスカーとエレオノールが自らの手勢を連れて突撃した。


 オスカーの大剣が兵を薙ぎ飛ばし、エレオノールの長剣が敵指揮官を切り裂いた。しかし、それでもなお北統王国兵はグロスモント騎馬隊を押し留めようと群がってくる。


「司令官、副司令官殿の道を塞がせるな!」


 ホフマンが声を張り上げる。この老騎士が声を張り上げるのは珍しい…しかし、それ故に彼の配下はここが正念場なのだと奮い立つ。


(ホフマン…私は必ずや投石器カタパルトを破壊する。だから、あなたも無事でいてくれ…!)


 エレオノールは敬愛する老騎士に一瞬視線を向けた後、進むべき前方を睨みつけた。

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