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決戦54

「なに…?お前もボゥ程ではないが負傷している身だろう」


 カイは椿の言葉に眉をひそめる。


 この戦場も安全とは言えないが、それでも叡智の聖騎士パラディン・オブ・プルードゥンス率いる援軍が来るまで持ちこたえれば勝ちという状況なため、勝算が高い。だが、オスカーの元へ援護に向かうとなればどのような状況になるか未知数だ。


「大丈夫です。足手まといにはなりません。それに、僕に出来る事が…いえ、僕にしか出来ない事があるはずなんです」


 椿は目の前の聖騎士の瞳を見つめながら言った。


「そうか――。お前がそう言うのなら、信じよう。正直、オレとしても…お前が共に戦ってくれるのなら有難い」


 カイがそう言った時、


「馬の用意が整いました!」


 兵からそんな報告が届いた。カイの馬は強行軍で疲弊してしまったため、代わりの馬をボゥが用意させていたのだ。


「では…行くぞ、ツバキ。お前に危機が訪れればオレが盾となろう。その代わり…オレ達を勝利に導いてくれ」


「はい!」

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