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決戦42
海賊たちの船は、乗員100人を超える大型船から10名に満たない小型船まで大小さまざまだ。それらの船が一斉に姿を現し、カイたち偽装大公国軍の船団を取り囲んだ。そして、その中の一隻がカイ達の乗る船に近付いてくる。
「おい、海賊がこっちに来るぞ。どうする」
「私が対応しましょう。あなたは下がっていてください」
叡智の聖騎士はカイにそう言って、船首近くまで進んで行った。
「この船団のリーダーは誰だ!?」
と、目の前に迫った海賊船から声が響いてきた。見れば、眼帯をして髭を生やした『いかにも海賊』といった風貌の男が声を張り上げている。
「私です」
叡智の聖騎士が答える。
「見ての通り、我々は大公国軍の者です。大公国軍と北統王国は友軍。そしてあなた達は北統王国に雇われているはず。我々は北統王国への援軍に向かわねばなりません。ここを通してください」
「大公国軍ねえ…確かに、大公国の軍服に大公国の船なのは間違いないが…」
男はカイ達の乗る船をジロジロと眺め回す。
「あんたら、本当に大公国軍か?」




