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決戦40

 正義の聖騎士パラディン・オブ・ジャスティスは、自らの宣言を実行して見せた。そして叡智の聖騎士パラディン・オブ・プルードゥンスの作戦通り大公国残党軍は戦意を喪失した。


 結果――大公国残党軍は降伏。


 彼らとて内心分かっていたのだ。例え残党軍として抵抗を続けたとしても、大公国が復活する事などはないと。


 それでも戦い続けたのは大公国軍人としての意地を示すためだ。しかし、これ以上の戦いは無益だと判断した。


 聖王国軍は降伏を受理。聖王国軍側の最高指揮官、正義の聖騎士パラディン・オブ・ジャスティスは大公国残党軍に対し寛大な処置を行うと約束した。


 そして、後方から来ていた聖王国軍の歩兵も追いついた。これでひとまず軍を休め――と、いう訳にはいかない。


 聖王国軍の戦いはまだ終わっていないからだ。


「渡海してグロスモント軍の援護に向かいましょう」


 新たに設けられた本営で、叡智の聖騎士パラディン・オブ・プルードゥンスがそう発言した。


「もちろんだ」


 カイは同意する。その横で、正義の聖騎士パラディン・オブ・ジャスティスも頷いた。


「しかし、北統王国に雇われた海賊が我々の渡海を阻止する動きを見せるでしょう」


 叡智の聖騎士パラディン・オブ・プルードゥンスは卓上の地図、そこに描かれた海峡を指差す。


「そうだな。だが、海賊如きに敗れるオレたちじゃない」


 カイは地図を睨みつけながら言った。彼女は海賊を甘く見ている訳ではない。正式な軍ではないとはいえ、海戦となればやっかいな相手だ。しかしそれでも打ち勝つ自信があった。


「無論、私とて聖騎士パラディンが三名も揃っていながら海賊に後れを取るとは思っていません。ですがそれでも犠牲が出るでしょうし…時間も稼がれてしまうはずです」


「だが…それは仕方のない事だ。犠牲を恐れここで足踏みしていれば、それこそ時間を浪費してしまうだけだろう」


 カイはあくまで強気の姿勢だ。そんな彼女に対し、叡智の聖騎士パラディン・オブ・プルードゥンスはあくまで静かな口調を崩さず言った。


「犠牲をゼロに、時間の浪費を限りなく最小にして渡海する方法が、ひとつあります」

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