表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

388/1118

決戦26

 アイヒホルン支隊に援軍が到着する少し前。


 帝国・北統王国連合軍本隊。その中心部たる本陣には、総大将たるアイヒホルンの姿があった。彼の元には休む間もなく情報が届けられている。


「敵軍本隊により我が軍本隊の第一陣が突破されました!」


「北統王国軍のダウンズ五千人隊長、敵軍総大将たるオスカー・グロスモントにより討ち取られました!」


「敵軍の損傷は軽微!」


 届けられる情報は、アイヒホルン軍本隊の劣勢を示すものばかり。だが、アイヒホルンの顔に焦りは見えない。ここまでは彼の計算通りだ。だが、


「クリスタ・ファーナ三番隊隊長及びディルク・カルヴェント五番隊隊長率いる支隊、苦戦している模様です!」


 その報告が耳に入ると、アイヒホルンはすぐさま声を上げた。


「ロルフ・リューガー槍騎士長!」


 精鋭槍騎士スペツィエル・シュピアリター二番隊隊長、ロルフ・リューガーの名を呼ぶ。


「はっ!」


 傍らに控えていたロルフが敬礼と共に一歩前へ進み出る。


「五千の兵を与える!支隊の援護に向かえ」


「援護、すか…?」


 ロルフはアイヒホルンからの意外な命令に戸惑ったような表情を見せる。


「あの…お言葉ですけど」


 と前置きしてから、


「苦戦してるって言っても、クリスタとディルクがいるなら最終的にこっちの勝ちは揺るがないと思います、アイヒホルン閣下。わざわざ俺が行かなくても…」


「いや、君に行ってもらう必要がある。その理由をくどくど説明している暇はない。全速力で駆け、今すぐ援護に向かいたまえ!」


 アイヒホルンは有無を言わせぬ口調で言った。


「わ、分かりました閣下!」


 そう答え、ロルフは支隊の救援に駆けていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ