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決戦間近3

 大将軍フィシュタル・ジェネラルに次ぐ実力…その言葉に、一同は息を飲む。ツバキも改めて身の引き締まる思いがした。彼はこの世界に来てすでに数多くの戦いに参加しているし、大将軍フィシュタル・ジェネラルのひとりであるヒューゴと顔を合わせた事もある。だが、実際に大将軍フィシュタル・ジェネラルクラスの相手と戦った事はない。


「さらに、アイヒホルン配下には精鋭槍騎士スペツィエル・シュピアリターと呼ばれる精鋭集団。そしてそれらを統率する五人の騎士長が存在する。かの者らも強敵だ」


(五人の騎士長か…)


 特務竜兵隊隊長ジークフラム、フィレル将軍、エッカルト副司令官…強敵といっていい相手とは何度か相対してきた。特にジークフラムの武力は相対した敵の中でも群を抜いていた。だが、指揮能力の高さという点では基本的にエレオノール、カイ、エステル、オスカーといった味方たちが上回っていた。そういった味方の力を十全に発揮すれば勝てる。自分はそのために策を練ればいい…そう考えていたのだが、今度の相手はおそらくエレオノールやオスカーと互角に戦う事の出来る能力の持ち主だ。今までのように味方が全力を尽くせるよう努力するだけでは足りない。そこからさらに一歩、成長しなければならない。


「…どうしたんだ、顔が暗いぜ」


 椿の隣に座っていたリヒターが小声で話しかけてきた。


「いえ、少し…気を引き締めなきゃな、と思って」


 その言葉を聞いてリヒターは小さく笑った。


「はは、大丈夫だって。気楽にやろうぜ。気楽によ。ひょっとしたらよ、アイヒホルンとかいう奴が落馬して明日にでも死ぬかもしれねえ。まあ、そんな事はそうおう起きねえだろうが…ようは、何が起こるか分からねえって事だ。今ある情報だけで考えすぎても煮詰まるだけだぜ」


 その言葉だけ聞くと無責任とさえ思えてしまうだろう。だが、ツバキは知っていた。彼は自分の緊張をほぐそうとして言ってくれているのだという事を。


「…そうですね」


 椿は小さく微笑んだ。こうやって自分の事を気にかけてくれる人間が周りには何人もいてくれる。それがありがたかった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ジークムラム!?…帝国の片腕野郎でしたっけ!?…ホントは名前で呼びたく無いのですが…帝国の片腕野郎の名前は…ジーク“フラム”ですよね!?…ムラムラって…プッ!草!…先生も言いますねぇ……
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