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進行準備5

 椿はエマの部屋を訪れた。


「あれ、椿っち」


 そう言って部屋から出てきたエマの後ろから、ハティがひょっこりと顔を出す。


「…何か用?」


 現在、彼女たち二人は同室なのだった。ハティは、エレオノール隊では椿を除けば比較的エマと仲が良い。エマの飾らない性格がそうさせているのだろう。ちなみに、二人の部屋はエレオノールと椿の部屋の隣だ。


「エマ、もし良かったら一緒に市街に出かけたいんだけど…どうかな?」


「そりゃあもちろん、問題ないっすよ!どこに行くんっすか?」


「うん、エレナに何かプレゼントを渡せないかなと思って」


「プレゼント…っすか?」


 不思議そうな表情をしたエマに、事情を説明した。


「なるほど…確かにエレオノール隊長が一番大変なのに全然労ってなかったっすね。…副長なのに、その事に全然頭が回ってなかったっすねえ」


 エマは、自分の未熟さを反省するようにしょんぼりとした。


「それは仕方がないよ。昇任を重ねて仕事がどんどん増えてるのはエマだって同じなんだし」


 エレオノールが昇任し部下が増えるという事は、その配下にあるエレオノール隊の部隊長、それぞれの部下も増えるという事だ。トップのエレオノール程ではないが、忙しいのは皆同じという事だ。


「それに僕だって、色々と覚える事や次の作戦について考える事に熱中していて…エレナの大変さを全然考えてなかったから…」

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