新司令官39
「…我々は貴殿の隊に降伏します。安全を保障してくれると誓ってくださるのであれば武装も解除しましょう」
ジラドルフの後を継いだジラドルフ隊の副長ががオスカーに降伏を宣言した。その言葉にオスカーは頷く。
「貴公の懸命な判断に敬意を表する。当然、そちらの隊員の身の安全は保障しよう。」
オスカーは、敗軍の将を前にしても相手を見下すような事はなかった。敬意の込められた仕草で敬礼を行う。
「甲冑はそのままでいい、武器だけ預けてくれ」
「分かりました」
そう言って、副長は各部隊長達に武装の解除を命じた。そしてその部隊長達がさらにその配下の下級指揮官達に、そして兵達にと武装の解除を命じる。
中には釈然としない表情の隊員たちもいた。彼らの内心にはジラドルフの仇を討ちたいという気持ちがあるのだろう。だが、それはジラドルフの意思に反する事も知っている。さらに、オスカーが示した紳士的な態度も彼らの怒りを和らげた。結果、大きな問題もなくジラドルフ隊の武装解除は勧められた。
「ガレス」
武装解除を待つ間、オスカーは一旦下がり副長であるガレスを呼んだ。今後の方針を示すためだ。




