表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

242/1118

新司令官22

 姿を現したドラゴンは、北統王国軍の陣地へ突進するとその尾を振り回した。竜尾薙払テイルスイングの一撃で、数名の兵士が吹き飛んだ。


「ぶ、部隊長!ドラゴンドラゴンです!」


「わ、分かっている!取り乱すな…!」


 聖王国軍にドラゴンが存在する事はエッカルトからの報告で分かっていた事だ。だが、話に聞くのと実際に見るのではその衝撃度は大いに異なる。兵の多くは取り乱し、一時的にパウル隊の前線は崩れた。


「ようし、野郎ども!突き進むぞ!」


 ズメイの号令で、五頭の竜は陣形の崩れたパウル隊の中に突入していく。


「ちょっと無理させるかもしれねえが…たのむぜ、相棒。後で水牛バッファローのステーキを奢ってやるからよ」


 そう言って、ズメイは自らの跨るドラゴンの背を撫でた。






「パウル将軍、前線にドラゴンが出現いたしました!前線は混乱しています」


「ふうむ…やはり、ドラゴンか…」


 パウルは僅かに口を歪める。


ドラゴンへの対処法は分かっている。投斧フランキスカ部隊を向かわせろ。…投斧フランキスカを所持しているのは何名だ?」


「は、はい…我が隊で投斧フランキスカを装備しているのは、百人隊がひとつだけです。急な出撃だったもので、対竜ドラゴン用の装備を持った部隊は我が隊にはあまり多くありません」


「そうか。少し心許ないが、十分対処できるだろう」


 ドラゴンは脅威だが、万能の存在ではない。例えば、機動力という点では騎馬隊に劣っている。また、その数も少ない。


(つまり、ドラゴンが我が隊に与える事の出来る被害は限定的だという事だ。かなり多く見積もっても千名という所だろう)


 その間に歩兵隊を潰してしまえば、ドラゴンは孤立する。そうなれば討ち取る事も可能だろう。


「むしろ、危険なのはドラゴンを過大評価し兵の士気が崩壊する事だ。各部隊長達に伝令を送れ!未だ我が軍が圧倒的優位…今は兵を落ち着かせるように、と」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ