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新司令官11
「グロスモント卿!」
オスカー率いる騎馬隊とグロスモント隊本隊が合流を果たすと、本隊の指揮官代行を務めていたガレスがオスカーに駆け寄った。
「お見事でした。それで――次はどうしますか?」
ガレスはそう問いかけつつ、ちらりと後方へ視線を向ける。
「巨大要塞軍が出撃した模様です。ここは一旦引き、合流しますか…?」
「いや、このまま敵と対峙する」
オスカーは迷いなく返答した。その選択は、奇しくも敵将ジラドルフと同じ短期決戦だった。
「おそらく、エステル・ラグランジュもそれを望んでいるはずだ」
「そうなのですか…?」
「ああ、俺の勘がそう告げている」
そう言い切るオスカーのに、ガレスは疑問を差し挟まなかった。彼の指揮官は頭脳明晰といったタイプではないが、戦場での感には常人を超えたものがある。
グロスモント隊は、前方のジラドルフ隊三万に向け進軍を行う。ジラドルフ隊もそれと真っ向から対峙する。さらに、パウル隊一万がグロスモント隊の側面を突く動きを見せた。




