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新戦力27

 椿は、じっと少女の瞳を見つめ返した。薄い灰色をした、大きな瞳。その奥には切なる願いが込められていた。


「分かった。君がそう言うのなら…もう僕はもう止めない」


 そう言って、エレオノールに視線を向けた。ハティが隊に入れるかどうかを最終的に判断するのは、隊長のエレオノールであるからだ。


「正直、私も幼い少女を戦場に駆り出したくはない」


 エレオノールは言った。


「けれど…彼女が決意したのなら、私が口を挟むことはできないだろう。ツバキ、君の判断に任せるよ」


「ありがとう、エレナ」


 椿は再びハティに視線を戻す。


「僕は君の意見を尊重するよ、ハティ。だけど…ひとつだけ約束して欲しい」


「な、なんだ?お前の命令なら、ボクはどんな危険な事だって…」


「そうじゃないよ。今までの君のような、なりふり構わない戦い方はやめて…自分の身を大切にして欲しい。君には弟妹かぞくがいるんだから。大切な弟妹かぞくの元に帰る事を…そのために自分の身の安全を最優先に行動する事を約束して欲しい。いいね」


「う、うん…」


 ハティは、ぱちぱちと目を開閉させ不思議そうな顔をしていたが…こっくりと頷いた。


「わ、分かった…ボクは、自分の身を大切にする…無茶は、しない」


「うん、そうして欲しい。君の弟妹かぞくのために――君自身のために」


 椿は、先ほどからハティに握られていた手を優しく握り返した。


「それじゃあ――改めてよろしく、ハティ」

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